# 021
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今回のレポートは酸性雨についてまとめてみたいと思います。 まず酸性雨とは、水素イオン濃度(pH)が5.6以下の雨を酸性雨と呼んでいます。pHは酸性度を表し、値の範囲が0〜14です。7が中性でそれ以下が酸性、7以上がアルカリ性です。値が低いほど酸性度が高いということになっています。なお、pH値は、1違うごとに、酸性度は10倍違うことになります。つまり、値がたった2少なくなるだけでも、酸性度は100倍になっているということです。 1985年の、日本のpH値は4.4〜5.5、欧州(英・独・仏)のpH値は4.3〜5.1です。しかし、日本の中には、まれにpH3未満のきわめて酸性度の高い酸性雨も観測されています。 酸性雨の発生の仕方は、火力発電所・石油コンビナートからの化石燃料などの燃焼で排出される硫黄酸化物・窒素酸化物などの酸性気汚染物質が、空気中の水蒸気と反応して、硝酸や硫酸に変化して降ってくることです。日本の酸性雨の原因は、日本から発生した汚染物質だけではありません。日本海側に降る酸性雨は、中国が石炭を燃やし、汚染された大気が季節風に乗って、日本に流れてくることがひとつの原因でもあります。 しかし、なにも工場から排出される汚染物質だけが、酸性雨の原因となっているわけではあり酸性雨の被害としては、一番はじめに被害を受けるのは湖や川に住んでいる生物です。魚類は、水の酸性化に対して非常に感受性が高いのです。湖や川が酸性化すると、まず、それに耐えられない小魚が死んでしまいます。そのときに、大型の魚は、死んだ小魚を餌として食べるので、一時期、その湖や川では、普段より大きな魚が釣れることがあります。しかし、それはやはり一時的なものであって、普段より大きくなった魚は、餌の底がつき、結局死んでしまいます。そうなると、そこはもう、生物が存在しない透明な死の湖、死の川となってしまうのです。 酸性雨は森にも影響を与えます。酸性雨の恐ろしいところは、ある日突然、一斉に木々が枯れるのです。この現象は、「アシッド・ショック」と呼ばれています。そもそもなぜ急に突然木々が一斉に枯れるのかというと、それは、木が酸性雨を浴びると、木そのものが弱くなるというよりか、木の抵抗力が弱くなってしまうというためです。そのため、干ばつや寒波がやってくると。この刺激で一気に木がやられてしまうので、このような現象が起きるのです。 自然物だけではなく、人工物にも被害があります。まず、建造物への被害です。酸性雨が降ると、酸性雨がコンクリートにしみ込み、コンクリートの成分のカルシウムを溶かしながら外に出ます。そこで、外に出てきたカルシウムと空気中の炭酸ガスと反応してできた炭酸カルシウムが、「つらら」のようになって伸びてきます。つまり、コンクリートから伸びている「つらら」のようなものは、酸性雨が降っている証拠なのです。他には、その国々の国宝級の建物や彫刻が、酸性雨によって溶けていく現象が起こっています。これは、その国、地域にとって、大事なものが変形・変色してしまうので、大変な痛手です。さらに深刻なのは、鉄道などのレールも腐食してしまうことです。これは、下手をすれば電車が脱線し、大規模な事故に至る事がある可能性もあるのでかなり危険なのです。 なんと、人体にも影響があるのです。1960年、北欧で、髪の色が緑色になるという事件が多発した。これは、水道管が酸性化し、水道管の銅が溶け出して、水たまりなどにしみ込んで、蒸発して雲になり、雨に溶けて降ってくるときに、人間の髪の毛に当たって、髪の毛を変色させたのだ。 (1)世界の取り組み 長距離越境大気汚染条約(ウィーン条約) 国連欧州経済委員会において採択された条約です。この条約では、加盟各国に越境大気汚染防止のための政策を求めるとともに、硫黄などの排出防止技術の開発、酸性雨影響の研究の推進、国際協力の実施などが規定されています。 ヘルシンキ議定書 長距離越境大気汚染条約に基づき、国連欧州経済委員会に属する21ヶ国が、署名し、発行したもの。この議案書では、硫黄の排出量を最低限30%削減することを決めた。 ソフィア議定書 長距離越境大気汚染条約に基づき、国連欧州経済委員会に属する25ヶ国が、署名し、発行したもの。この議案書では、新規の施設と自動車に対して経済的に使用可能な最良の技術に基づく排出基準を適用しなければならないことを規定している。他に、無鉛ガソリンの十分な供給も義務付けられている。 米国SO2排出量取引 改正大気浄化法に基づき、発電所に対する二酸化硫黄(SO2)及び窒素酸化物(NOx)の排出削減計画が開始された。この改正大気浄化法は、都市のスモッグ対策や、酸性雨対策に重点がおかれている。 石灰で中和 スウェーデンでは、3分の2の湖が、酸性化した死の湖となってしまっている。そこでスウェーデンは、今、湖の蘇生のため、アルカリ性の石灰を投入し中和させている。湖意外にも、森林の土壌などにも、石灰を投入している。 (2)日本の取り組み 酸性雨対策調査 酸性雨による影響が問題視されはじめたころから、全国の測定地点において、降雨中のpHの測定を行ったものである。何回かの測定によって、日本の酸性雨の現状を知り、酸性都会のNOxの半分が自動車の排気ガスが原因です。つまり、車の使用量を減らすことで、酸性雨の発生を抑えることができるのです。具体的にすると、近いところへの移動は、自動車を使わず、自転車や徒歩を使うことが良いと思われます。他にも、停車・駐車時のときは、エンジンをかけっぱなしにしないで、エンジンを停止させることが、小さいことかもしれませんけど、そういうことにみんなが気をつければ、排気ガスは必ず減るはずです。電気自動車、ソーラーカーを使うということも、非常に環境的です。 火力発電所から出る酸化物が、酸性雨に対して一番影響を与えている物質なので、火力発電所をたくさん機能させないために、自分達が電気を節約すれば、酸性雨から守ることにもつながるのです雨による悪影響の未然防止のための国際的な取り組みを進めている。 酸性雨について今回調べてみていろいろなことがわかったようなきがします。 いろいろな状態、それぞれの事情、思惑。いろんなことが絡みあってこの世界は今にいたっています。まだまだわからないことだらけの状態です、がこれから少しずつ学んでいきたいとと思います。 |